BLOG あかお歯科小児矯正ブログ
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【小児矯正症例】9歳女の子「八重歯・交叉咬合・お口ポカン」歯列拡大とマイオブレイス・筋機能トレーニングによる口腔機能の改善を目指した症例

歯並びの比較画像

項目内容
治療内容上下あごの歯列拡大とお口の機能改善
年齢9歳
性別女の子
期間約2年6か月
費用(税込)440,000円
リスク・副作用・装置の装着や、毎日のトレーニングをコツコツ続ける必要があります。
・治療の進み具合や、その後の維持には個人差があります。

 

1. 患者さんのご紹介(主訴・お悩み)

患者さんはもともと当院へ定期検診で通院されており、お口のケアにしっかりと取り組まれていました。しかし、永久歯への生え変わりが進むにつれ、左上3番目の歯(犬歯)が八重歯のように生えそうになっていました。さらに、右上の犬歯についても、萌出するためのスペースが不足しており、将来的に八重歯になってしまいそうな状態でした。

また、ご家庭でリラックスしているときにいつもお口がポカンと開いている口呼吸の癖があることも保護者の方は気になさっており、これからの歯並びへの影響を心配されて当院へご相談いただきました。

 

2. ご来院時の状態と診断

ご来院時の口腔内を確認したところ、上顎が狭く、左上の奥歯が反対に噛み合う状態(交叉咬合)が確認されました。また、下の歯並び全体が内側へ傾き、歯並びの乱れがみられました。

検査により、口呼吸や舌が低い位置にある状態(低位舌)、飲み込み方の癖(異常嚥下)がみられました。
これらのお口の機能の癖が、上顎の狭さや将来的な歯並びに影響していると考えられました。
診断として、上顎の幅不足と口腔機能の癖が重なり、永久歯が並ぶスペースが不足している状態と判断しました。

【コラム】低位舌とは

通常、舌は上顎の裏側にぴったりとくっついているのが正しい位置ですが、舌の筋力が弱く、下顎の歯の裏側に落ち込んでしまっている状態のことです。口呼吸や歯並びの乱れの原因となることがあります。

【コラム】交叉咬合とは

交叉咬合とは、上下の歯を噛み合わせたときに、一部の上の歯が下の歯の内側に入り込んでしまう噛み合わせの状態です。上顎の幅が狭いことなどが原因となる場合があり、歯並びや噛み合わせ、顎の成長に影響を及ぼすことがあります。

 

3. 治療の流れ

①マイオブレイス (マウスピース型装置)と筋機能トレーニングの開始

口腔機能の改善を目的としたマイオブレイスを開始しました。日中1時間と就寝時の装着を継続していただきました。あわせて、月1回のお口まわりの筋機能トレーニングと、ご自宅で毎日約5分のトレーニングを実施しました。

②固定式装置の装着

約3か月間、装置の使用に慣れたことを確認した後、上顎には急速拡大装置、下顎にはバイヘリックスという歯列を広げるための固定式装置を装着しました。
固定式の拡大装置は約1年間使用し、その期間はマイオブレイスの使用を一時中断しました。

③マイオブレイスの再開

拡大装置を外した後、再びマイオブレイスを使用して口腔機能のトレーニングを継続しました。

全体の治療期間は約2年6か月で、お口まわりのトレーニングは約15回実施しました。

【コラム】急速拡大装置とは

上顎の骨の継ぎ目を広げることで、上顎の幅を広げて歯が並ぶスペースを作るための固定式の装置です。

【コラム】バイヘリックスとは

主に下顎の歯の裏側に装着し、ワイヤーの弾力を利用して内側に傾いた奥歯を外側に押し広げるための固定式の装置です。

 

4. 治療のポイント

①お口の機能からアプローチする治療方針

歯並びを整えるだけでなく、口呼吸や舌の位置、飲み込み方などの口腔機能にもあわせて取り組み、機能改善と歯列の拡大を段階的に進める計画を立てました。
当院では、歯並びの乱れに関与することがあるお口の機能にも着目し、機能改善を重視した治療を行っています。

②無理のないペースでの治療進行

最初にマイオブレイスへ慣れてから、固定式の拡大装置へ移行しました。拡大装置は「痛いのではないか」「ネジを回すのが怖い」と不安になられる保護者の方が多いです。子どもの様子に合わせて無理のないペースで進められるよう、保護者の方へ丁寧な説明を行いました。

③「監視役」にさせない、親子の伴走を支えるサポート体制

ご家庭での協力が不可欠な治療ですが、ご声かけの方法によっては、子どもが治療に対して苦手意識を持ってしまうことがあります。 当院では毎月の来院時、保護者の方にもトレーニングを一緒に見ていただき、今どんなことを頑張っているかを理解していただくようにしています。親子で納得して前向きに取り組める体制を医院全体でサポートしています。

 

5. 治療後・予後

治療後、上下の歯列の幅が広がり、永久歯が並ぶためのスペースが確保されたことを確認しました。八重歯になることが予想されていた左右の犬歯は、抜歯を行わずに経過観察を行った結果、歯列内へ萌出しました。また本症例では、口呼吸の改善がみられ、鼻呼吸が定着したことを確認しました。(※治療効果には個人差があります。)治療終了から約1年後の検査では、歯並びや噛み合わせの状態が維持されていることが確認されました。

中学生になり、部活動や勉強で忙しくなって頻繁には来院できなくなりましたが、お口の機能の改善がみられたため、現在もお口の機能や歯並びは安定した状態で経過しています。 成長に伴う変化を確認するため、現在も定期的な経過観察を継続しています。治療経過や維持の状態には個人差があるため、それぞれの成長に合わせた管理を行います。

当院では、子どもの成長に合わせた歯並びと口腔機能の改善を行っています。子どもの歯並びや口呼吸について気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。

監修:あかお歯科医院
院長 赤尾 聡一

【所属学会・スタディーグループ】
・日本口腔インプラント学会
・日本歯周病学会
・一般社団法人 日本床矯正研究会
・一般社団法人 日本小児矯正研究会

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